意外と多い看護師のサービス残業の実態とは?体験談9選

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皆さん、残業代はもらっていますか?
「看護師として未熟だからいらないよね?」
「私ももらってないんだから、もらえないのが当たり前」
といわれて、支払われていないのではないでしょうか?
ひょっとしたら、自ら支払わなくていいと言ってますか?
そこで、サービス残業に直面した体験談を集めてみました。
果たして看護師たちは、どんな行動をとったのか見てみましょう。

サービス残業が続いている人たち

サービス残業は人のため

G.Bさん(33歳女性)
当時の勤務先:公立病院

私は9年目のナースです。
身分的には、平社員と同じなのですが、残業月100時間超えています。
残業手当を申請したことも、もらったこともありません。

9年目となると、役職がなくても看護研究のアドバイスや新人のフォローがあります。
医療安全委員会に入っているので、定時に上がることはありません。
ですが、それを辛いと思ったことはありません。
人に教えると、自分の学びになりますし、その教えた人の助けになれます。
委員会で遅くなっても、インシデントを減らすためにやっていると思えば、辛くないです。
いつか報われると信じて、毎日サービス残業しています。

サービス残業を許す風土が嫌い

S.Tさん(29歳女性)
当時の勤務先:大学病院

一般企業から看護師にあこがれて転職しました。
三年ほど大学病院で働きましたが、体調を崩し退職。
今は、企業で事務をやっています。

看護師になって新人の頃は、業務ができず残業が多かったです。
多少の残業なら、新人だし慣れていないならしょうがない・・・と考えていました。
ですが、さらにハードな残業が待っていました。
三交代の場合、おおよそは定時17時となります。
そんな中、21時まではほとんどの看護師が当たり前のように残っていました。
21時過ぎても残っている人がおり、24時から夜勤というのが当たり前。
看護助手もいなかったので、細かい雑用も多く全員が当たり前として働いていました。

残業が多く、それを平然と受け止めているのにも驚きました。
そして、その残業はすべてサービス残業でした。
156,200円損をしていたということになります。

これを、師長に突きつけると。
「会社員だったあなたなら、わかるでしょ? 社会で働くというのはこういうこと」
と言われ、残業代の申請を却下されました。
残業60時間というのは、体を壊すには十分な時間量です。
結局、体を壊して退職しました。

こういった風土がどこもかしこも残っているのはおかしいです。
体を壊したら元も子もないので、危険を感じたら逃げるのも大事です。

経営も大事だけど、人も大事なのに・・・・・・

Y.Dさん(34歳女性)
当時の勤務先:総合病院

私の所属している病院での定時上がりは夢です。
サービス残業も多いですが、看護師長と部長が認めたときは残業代が出ました。
つまり、この二人を通さないと残業代は出ません。
ですが、急変や緊急の場合はきちんと認めてくれていました。

先日、人事の入れ替えでこの二人が新しい人と入れ替わりました。
新しく来た看護師長と部長は融通の利かない石頭。
どんなに超過しようとも、絶対に残業代を出そうとしません。
さらに、ボーナスもカットに踏み切ったと言います。

どんなに病棟がばたばたしていようと、
「あなたたちの能力が足りないからでしょ!」と言われます。
急変の患者さんの対応に追われているときも、文句を言います。
「できない看護師に残業代を出していたら、病院はつぶれる!」
「満床でもないのに、定時過ぎても業務が終わってないのは、全面的にあんたらが悪い!」
前の師長さんも部長さんも気遣ってくれた部分はあったのに、今の二人は鬼です。

よそもこんな感じだと聞くし、看護師の数が減っていくのもわかります。

□小まとめ
サービス残業は当たり前と受け止めている人。
サービス残業で体を壊した人。
どちらにせよ、看護師の数を減らすのが目的だと思われかねないですよね。
過酷な仕事は体を壊すことがあるので、気をつけましょう。

サービス残業が嫌で転職した人たち

残業がないところへ・・・

G.Uさん(40歳女性)
当時の勤務先:国立病院

看護師7年目。
子供に手がかからなくなったので、再度看護師として就職。
前の病院はサービス残業が多かったので、残業が少ないところを探しました。

目をつけたのがデイサービスです。
高齢者向けのデイサービスは、預かった人が迎えの時間で一斉に帰ります。
なので、残業はほぼありません。
職員での会議などで、残業あったとしても残業する時間が少ないので、手当を出していただけます。

サービス残業に悩む方は一度転職してみることをおすすめします。
ただし、うまい話にすぐ飛びついてはダメです。
病院の雰囲気や流れをきちんと知ってから転職をしたほうがいいです。
また、病院以外に行くのもありです。
せっかくの資格をどんどん活かしていきましょう。

あまりにもひどいので転職しました

U.Gさん(29歳女性)
当時の勤務先:民間病院

看護師5年目です。
サービス残業がひどく、体を壊したため退職。
その後、療養の病院に転職しました。

体を壊したきっかけは、サービス残業が月60時間を超えていたからです。
時には過労死ラインと呼ばれる月80時間に行くこともありました。
労働基準監督署の査察が入りましたが、ほとぼりが冷めたらまたサービス残業が発生。

先輩方はサービス残業賛成で、「残業代が出ない? 新人は普通でないよ」という空気。
それが続き、ついに体を壊しまし、休職届と残業代を払ってくれるように師長に相談。
師長からはこう言われました。
「未熟な人は、時間超えても病院にいてください。残業代はもらわない、学ぶんだという信念で働かなきゃ」
一昔前までなら、それでよかったと思います。

今は患者さんの数が多すぎて、対応できてない状況です。
また、労基に訴えてもいいのですが、師長もその上の主任も聞かなさそうで・・・・・・。
結局は転職がいいと思い、療養の病院に転職しました。

入念に下調べをして、残業を全体的に減らそうとしている病院を見つけて、そこに決めました。
今は残業があってもしっかり賃金が出るのでひとまずは安心です。

企業はいいぞ

R.Iさん(33歳男性)
当時の勤務先:国立病院

産業保健師になりました。
元々、勤めていた病院は超過勤務とサービス残業が常態化していました。
毎日大量の患者さんの相手をしつつ、勉強漬けで、自分の時間がまともにとれない。
そんな生活が嫌になり、転職をしました。
その時、民間の方が実はしっかりしているのでは、と考え今の企業に応募。
今は、きちんとした管理体制で働けています。

企業なので、残業になるときもあります。
例えば、相談内容が深刻で、定時を超えても悩み相談や指導をするときもあります。
社内で何かしらの問題が発生した場合、拘束時間は長くなります。
しかし、申請すれば残業代がきちんと支払われます。

保健指導については、慣れていけば楽になります。
うちは予約制で、自分のスケジュール管理がしやすいです。
うまく調整すれば、お休みも自分で作れます。

社員さんと信頼関係を築くのが大変でしたが、誠実な人が多く。
変な患者さんを相手にすることもなくなったので、看護が楽しいと思えるようになってきました。

もし、サービス残業で悩んでいるのなら、いっそ転職してみてはどうでしょうか。
産業保健師や行政の公務員保健師もまた道の一つではないかと思います。

□小まとめ
サービス残業がない職場へと転職するのも一つの手ですね。
その場合、いろいろ下調べをする必要がありそうです。
少ない休日でへとへとだと思いますが、一念発起してみてはいかがでしょう。

サービス残業に立ち向かった人たち

勤務記録メモをして、労基に提出してみた

E.Nさん(27歳男性)
当時の勤務先:公立病院

看護師3年目です。
業務も追いつくようになってきましたが、サービス残業の日々です。
三年間、勤怠と労務状況の記録をとり続けたので、労基に提出してみました。

内容は、前残業一時間と後残業3時間が状態化していること。
出勤時間と実際の切られた時間の数字をしっかりと記録していました。
また、残業に関しての師長や主任の言葉をメモで記録。
3月10日。師長から「残業の手当ては新人なので出ない」と言われる。
という感じで、だいたいの時間と言われた言葉も記録しました。

まとめた内容がよかったのか、労基が動いてくれました。
無事に是正勧告も出され、賃金の支払いが行われました。
賃金状況や、タイムカードのチェックが行われるので記録は必要になります。
労基のよい点は、全体の問題なので匿名で通報があったとして調べてくれるところです。

状況は劇的に改善されましたので、一度サービス残業で悩んだら労基に相談してみてもいいでしょう。

弁護士に相談した話

Y.Oさん(36歳男性)
当時の勤務先:民間病院

元社会人の看護師です。
看護師になって、病院に就職してみたらおかしなことばかり。
そこで、いっそ病院を訴えてみようと三年ほど我慢しつつ、証拠を集めました。
結果として、残業代は支払われました。

・きっかけは、給与明細とタイムカード
 うちの病院は、一日1時間分の残業代が支払われる。という謎ルールがあるそうです。
 給与明細を見たとき、実際に一時間分しか支給されてないことに驚きました。
 毎日、3時間は残業していましたから。
 社会人の癖で始業時間と就業時間はメモをする癖があったので、記録を毎日つけました。
 その記録を元に、弁護士に相談し、違法だというお墨付きをもらい、その後労基へ。
 指導が入りましたが、支払いはなし。
 なので、弁護士を通じて残業代を請求しました。
 最終的には、病院のお抱えの弁護士と相談になり、支払いが決定。
 自分の依頼した弁護士には獲得した総額の20%を払いました。
 しかし、それでもなお多くのお金が手元に残りました。

・未払い請求は恥ではない。
 未払いの給与の請求は、たとえ看護師であってもやりましょう。
 病棟では、「未熟なので残業代はもらってはいけない」という変なプライドが蔓延しています。
 毎日遅くまで仕事をしても、報酬はない。
 それは社会という目から見て、おかしい話です。
 むしろ、未払い請求があると病院にきちんと認識させたほうがいいです。

・タイムカードと給与明細などの証拠品を集めよう。
 方法としては、とにかく証拠がいるので、些細なものでも集めましょう。
 また、法的に筋を通した請求書などもきっちり手元に置いておきましょう。
 相手と結んだ契約書はとっておきましょう。
 相手側から配布された書類や、就業規則もです。

今の看護師の多くの残業問題は深刻だと思います。
看護師の数が少ないので、残業は仕方がないと思いますが、賃金がないのはおかしいです。
病院は閉鎖的で、世間の給与が高いから我慢すべきという超えもあります。
ですが、それは看護師のことをよく知らないからいえるのです。
一人一人の看護師が声を上げて、未払い請求をしましょう。
世間に看護師の実態を知ってもらい、風通しをよくしていけたらと思います。

最初は苦しいけど、やらなきゃいけない

K.Oさん(40歳女性)
当時の勤務先:大学病院

サービス残業が問題になっている。
病院にとっては、大きい残業代と、残業そのものをなくしていくことが大事です。
私は、抜本的な改革を病院で行いました。

1,人員の増加
病棟全体の取り組みとして、残業を減らしたいので協力してくれと素直にお願いしました。
協力してくれる看護師の方を集めて、支持者を増やしました。
また、人員を増加するときはベテランも新人も増やします。
未来に新人がベテランになって、そのときの新人に教えられるように、教える人の母数を増やす必要があるからです。

2,先輩と後輩のペアを作る
ツーペア体制にする。業務を先輩に面倒を見させる。
お互いの仕事状況を確認し、短縮できるところは短縮します。
お手本を見せるために、自分が率先して後輩の面倒を見ることもあります。
お互いの仕事が終わらないと、どちらも帰れないルールです。

3,残業代は払う
日本人の性質ですが、残業代を出されると申し訳ないという気持ちを利用します。
経験の浅い人ほど、申し訳ないと思っているので、そこで声をかけます。
「先輩が早く終わらせるのを見て、コツを学んでみたら?」と。
そうすると、コツをつかみ始めます。

これを実践し、効果を見てみました。
最初の間は慣れずに、混乱する人もいました。
しかし、数ヶ月で残業量が減り、業務の効率が上がりました。
今は、残業代が減り、相対的に残業代の支出も減っている状態です。
管理職に出世するか、管理職の信頼を勝ち取るのも一つの手です。

□小まとめ
管理者の立場で率先して改革した人もいれば、毅然と立ち向かった人もいます。
管理者になれば、改革に着手しやすいでしょう。
また、労基や弁護士に相談し、手続きを踏んで請求したのは社会的に正しいプロセスになります。

まとめ

看護師のサービス残業は、世間ではまだ認知は低いです。
改革を断行するには、看護師として出世しなければいけないです。
また、世間に認知させるにも運やきっかけが必要になります。
即効性を求めるのであれば、正当な手続きを踏んで請求したり、転職するのも手段です。
泣き寝入りするのではなく、いつか見返してやると働くのもいいと思いますが・・・・・・。
体を壊しては元も子もないので、それぞれの状況に見合った動き方をする必要がありそうですね。