新卒時の「辞めたい気持ち」とどう向き合った? 先輩看護師たちの体験談6選

yametai

期待と不安に胸を膨らませて入った医療現場。
実際看護師として働いてみると、想像とは全然違っていたりして、不安ばかりが膨らんでいく…。
新人のうちは「仕事辞めたい」という気持ちになることも少なくないでしょう。
この記事では、6つの体験談を通じて、先輩看護師たちがどうやって卒後すぐの「辞めたい気持ち」と向き合ったのかを紹介します。

辞めずに続けた体験談

意識の変化

G.Rさん(女性)
当時の勤務先:急性期の病院

急性期の病院で働く2年目の看護師です。
入ったばかりの頃は、自分の物覚えの悪さに毎日凹んでいました。
先輩たちからきつい口調で叱られたり、いくつかインシデントを出してしまったこともあります。
想像以上に出来ない自分に悩み、入った職場を間違えたかもしれないと悩みました。
1年目の時は、看護師を辞めようかと考えることが多かったです。

ですが、職場の人たちと少しずつ話が出来るようになって、ようやく「チームで仕事をしている」という事に気付く事が出来て、意識が変わりました。
先輩たちから叱られたその時は、怖かったり萎縮してしまったりしていました。
でも、それが悪意ではなく「患者さんを思って」「病院を思って」「自分を思って」してくれたことだと思えた時、仕事に対する認識も変わりました。
看護の仕事は、一人で何もかもやらなければいけないわけではありません。
互いに支え合って、補い合って、チームで仕事をするのが看護なんだと、今では思っています。

今でも何かと他の方に迷惑をかけてしまっています。
私は同じ職場で働く人たちに恵まれたと思います。
いつも支えてもらっています。
だから、いつか新しく入って来られた方の力になれたらいいなと思って頑張っています。

「誰もが完璧ではないから、この仕事はチームでするんだ」という思いがあるから、私は今も看護師を続けられているんだと思います。

無駄な我慢をした四年

B.Hさん(女性)
当時の勤務先:病院

看護師4年目です。
入ってすぐの頃から、先輩たちに散々な事を言われ続けてきました。
「自己中」「学生以下」「使えない」「邪魔」
新人を育てるために使われた言葉というよりは、自分たちのストレスを解消するための言葉や態度だったように思います。
元々負けん気が強い方なので、落ち込むよりは腹立たしさを感じていました。
それと同時に、看護師としてのモチベーションもどんどん低下。
そして、辞めたいという気持ちを、モヤモヤと抱えるようになりました。
厳しい指導がその後の業務の糧になる職場であれば、まだ頑張ろうとも思えたのかもしれません。
気付くとこの職場で4年を費やしていましたが、近々退職する予定です。

4年の間には、私と同じように標的にされて、いじめられる新人が何人もいました。
仕事とは関係ないところで、新人が落ち込んだり悩んだりする姿を見ても、自分には何も出来ず。
「どんな職場にもまず三年」と言われますので、とにかく我慢しようと思って耐えてきました。
でも、新人いじめがいつまでも続き、新人を育てる気もなく、まともな教育体制も整っていない職場に、何年いても何のメリットもありませんでした。
時間の無駄だったと感じています。

どうしようもない職場で4年も過ごしてしましまいた。
しかし、たくさんの実習や試験、国試を経て手に入れた資格です。
同じように人間関係に悩むにしても、仕事に対しては前向きに取り組める職場に出会いたいと思っています。

勢いで退職したことを後悔

Y.Mさん(女性)
当時の勤務先:病院

新卒で入った病院で、三年働いて退職した看護師です。
責任やプレッシャーから不安で落ち着かなかったり、疲れていても寝れなかったりすることは、ほぼ毎日。
毎日辞めたいと思っていましたが、奨学金をもらっていたため、三年は我慢すると決めて続けました。
ひたすら「三年勤める」ということだけを考えていましたので、三年たった途端に退職。
ですが、こんな私が三年も続けられたのも、先輩が私の話をいつも聞いてくれたからでした。
情緒不安定でどうしようもなくなっていた時にも「今鬱になってしまったら、一生を台無しにしてしまうよ」と私を気遣い、休ませてくれました。
本当に感謝するばかり。

そして、結果的に「辞める」という選択肢を選んだわけですが、新人のころに一人で抱え込まずに相談出来る相手がいたからこそ、三年も続けられたんだと思います。

続ける意味を見出だせた方もいれば、残念ながら無駄だと感じてしまう方もいました。
辞めたいという気持ちと向き合いながらも続ける場合は、

  • 新人を育てる環境であること
  • 周りに相談出来る人がいること

という部分が大切だと感じました。

辞めて転職した体験談

私にピッタリの働き方

B.Dさん(女性)
当時の勤務先:病院

看護師5年目です。
新卒で入った病院は3ヶ月で退職。
そこには教育や研修の制度が整っていませんでした。
緊張感を持って働くことは大切かもしれませんが、病院全体が常にピリピリイライラしているようなところ。
私は新人として採用されましたが、要求されることは即戦力レベル。
かといって誰かが教えてくれたり、勉強会を勧められるという環境ではありませんでした。
支えてくれる人もいなくて、責任やプレッシャーで常に気を張っている状態。
このままではいつか重大なミスを起こしてしまうと思いました。

新卒3ヶ月で辞めることに抵抗があったのは事実です。
再就職出来るか不安でしたし、そもそも看護の仕事が自分に合っているのかも疑わしく思ったり…。
そして、患者さんから「元気がないよ」と体調を心配されたときに、どっちが患者か分からない状態では続けられないと気付き、退職を決意しました。

今はクリニックの外来でパート勤務をしています。
看護師は私一人なので、なにもかもやらなければいけませんが、一人一人の患者さんとしっかり向き合って、勉強して納得しながら業務をすすめる事が出来ています。
自分にはこの働き方が一番合っていると思いますので、病院を3ヶ月で辞めたことは後悔していません。

辞めて良かった

M.Hさん(女性)
当時の勤務先:病院

3年目の看護師です。
新卒で入った病院では、入ってすぐの頃から毎日辞めたくてしかたありませんでした。
ですが私は、奨学金をもらって学校に通っていたので、返済のために、その病院で三年間勤める必要がありました。
ところが、1ヶ月もしないうちに、ストレスの為に体調不良に…。
お金を返すために頑張らなければと思うのですが、その気持ちとは逆に、体調はどんどん悪化してしまい、ついには出勤出来ない状態にまでなってしまいました。
どうしたらいいのか分からず、頭が真っ白になってしまったのを覚えています。
その時考えたのが「とにかくもう何もかも最初からやりなおそう」ということでした。

働こうにも身体が動かない、難しいことは考えられない、という状態だったからこそ、出せた結論だったのかもしれません。
すぐに辞めることにしました。
一番ひっかかっていた奨学金の件については、親と親戚から借金をして、全額返済をして退職。
続けられなかった情けなさと、迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
その反面、いろんな責任から解放されてほっとしたのも事実です。

その後、地元の病院に再就職。
それなりに忙しく責任もある職場ですが、今は楽しく働くことが出来ていて、親や親戚から借りたお金も少しずつ返すことが出来ています。

新卒2ヶ月で辞めてしまいましたが、後悔はしていません。
むしろ辞めて良かったと思っています。

期限を決めて頑張ってみる

U.Aさん(女性)
当時の勤務先:病院

看護師としては5年目です。
現在はクリニックに勤務していますが、新卒で入職した病院は1年で辞めました。
最初の職場では、入職して3ヶ月過ぎた辺りから体調を崩し始め、4ヶ月目辺りからはずっと辞めたいと思っていました。
体調不良の最初の原因は、プリセプターと合わないなどの人間関係。
体調を崩し始めると、次第に仕事にも身が入らなくなり、つらさばかりを感じるようになってしまいました。

私は実家から通っているため、普段から仕事のことは母に相談が出来ます。
あるとき母が「体調を崩してる状態では、充分な患者さんの治療は出来ないよ?不調が続くようなら仕事を変える事も考えた方がいい」と言ってくれました。
私は、辞めたいけれど、新人はみんな我慢して強くなるもだと、そんな風に考えていました。
なので、母の言葉を聞いて、期限を決めて、そこまで出来る限り頑張ってみようと思い、その時私は、期限を「1年」として、体調が戻らなければ退職することを決めたのでした。

退職までの8ヶ月近くは、とにかくつらかったです。
それでも、終わりが目に見えて近付いてくるというのは、とても励みになりました。
その期間に転職サイトに登録し、エージェントさんに相談をして、自分の次の職場について真剣に考える事も出来ました。
もちろん看護師以外の職も検討しました。
ですが、せっかく手に入れた資格を活かしたいという気持ちがありましたので、今のクリニックに転職しました。
今は体調もすっかり元に戻り、自分なりのリズムでやり甲斐を持って仕事が出来ています。

新人看護師に対して
「数ヶ月の勤務で退職してしまうことは、キャリアとしてもったいない。」
という意見もありますが、無理に続けることで取り返しのつかない事になってしまっては元も子もありません。
ここで紹介した方々のように、新卒1年未満であっても、働き方や環境を変えることで、悩みやストレスを解決出来る場合はあります。

まとめ

辞めたい気持ちと向き合った先輩たちの体験談はいかがでしたでしょうか?
続けることによってやり甲斐を見つけた方もいれば、辞めることで自分らしさに気付く方もいました。
大切なのは、正直な自分の気持ちと向き合って、答えを探そうとする姿勢です。
看護師の資格を「せっかく手に入れた資格」と考えている方も多かったので、看護師を辞めてしまうよりは、環境を変えるための転職は非常に有効です。
自分の選択に後悔しないために、まずは正直な自分の気持ちと向かい合うことから始めましょう。